大会趣旨 

 大会テーマ「地域社会のWell-beingを支える心理リハビリテイションのつながり」のもとに、2025年日本リハビリテイション心理学会学術大会ならびに第50回心理リハビリテイションの会全国大会(東北大会)を仙台市の江陽グランドホテルにて開催することとなりました。多く方にご参加いただきたくご案内申し上げます。
 「心理リハビリテイション」は、動作法という指導法を中心に集団活動や生活指導を含む心理学に基づく総合的なWell-beingを高める活動です。「動作法」は全国の肢体不自由特別支援学校の自立活動を専門とする多くの教員が「自立活動」の指導方法として活用しています(宮崎1999,中井ほか2011)。その適用範囲は、当初の脳性マヒ児の動作改善から、障害乳幼児や発達障害児の発達支援、うつ病や統合失調症などの諸症状の緩和、高齢者の肩凝り・腰痛問題等への健康促進、ストレスマネッジメント教育、災害時の支援にも広がっています。
  Well-being(ウェルビーイング)という概念が注目されています。WHOは、「身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態を指し、単に病気がないことや虚弱でないことだけを意味するものではない」と定義しています(1946年世界保健機関憲章 Constitution of the World Health Organization)。地域社会のWell-being(ウェルビーイング)は、地域社会全体の健全性や幸福度で、社会的なつながりや個人の主観的幸福感といった多様な要素を含ます。OECDもLearning Compass 2030で個人と社会のウェルビーイング(individual and collective well-being)に注目しています。国内では文部科学省の第4期教育振興基本計画にも「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」が掲げられています。
  心理リハビリテイションの会は、全国各地で開かれる心理リハビリテイションのキャンプや訓練会、教育や福祉現場での実践、指導者の研究会や保護者の勉強会などに携わる人々のつどいです。心理リハビリテイションは1960年代から成瀬悟策先生を中心に開発され、その活動は全国各地に広がりました。行政や施設などの関係機関を巻き込みながら、障がいのある人とそのご家族、ならびに教育、福祉、心理、医療にかかわる人々のつながりとWell-beingを育ててきたのです。
  動作法東北ネットワークJapanは、東北で心理リハビリテイション活動を展開する8団体が、キャンプや訓練会で相互交流するとともに、東日本大震災においては被災者への支援を行い、マレーシアやスリランカやベトナムの訓練会にも貢献して、年に1回の年次大会を開催しています。記念すべき第50回大会を担当するにあたり、全国各地の心理リハビリテイションの仲間たちのつながりを深め、地域のWell-beingを支えることができる大会としたいと考えています。

大会長 宮﨑 昭(動作法東北ネットワークJAPAN理事長
・環境とこころとからだの研究所)